平成25年6月4日現在の、名古屋地区の住宅ローンの金利動向です。
アベノミクスと日銀の“異次元”金融緩和の影響から、
固定金利タイプに影響を与える10年モノの日本国債(長期金利)が
先月中旬から下旬にかけて+0.3%の0.9%程度まで急上昇。
その影響がどのように出たのでしょうか?
まずは変動金利タイプから。
変動金利に影響を与える日銀のゼロ金利政策は終わったものの、
大幅な量的・質的金融緩和が行われています。
そのため変動金利については全く動きが無く、先月に続き据置きで、
三井住友信託の0.775%を筆頭に
1.0%前後の低水準で推移しています。
日銀の金融緩和政策は物価上昇率が2.0%になるまで継続の
見込みなので、変動金利も当面現在の水準で推移すると思われます。
次に、固定金利タイプと固定金利期間選択タイプ。
冒頭にご紹介したとおり、大幅に上昇した長期金利に合わせて、
3年という短期の固定金利期間選択タイプから
超長期の35年固定金利まで、軒並み上昇しています。
地銀信金は0.1%程度と比較的上昇幅も控え目ですが、
メガバンクでは0.2%から、長期の固定金利になると
0.35%などと大幅に上昇しています。
その結果、10年固定の表向きの優遇金利は
1.50~1.60%程度がボリュームゾーンとなっています。
ただし、地銀信金には月初ではなく、
月の途中で金利を改定する金融機関もあるため、
ここ半月程度は10年固定金利で
表向き1.25%という金融機関が並存しています。
また、固定金利が大幅利上げされる中、三井住友銀行では
当初3年間が0.6%、当初期間終了後の引下げが△1.6%という、
思い切った商品を投入しています。
これは、日銀の貸出支援基金制度を利用したもので、
7月31日までの期間限定となります。
(ただし、当初3年間の金利は低いですが、
当初期間終了の4年目以降は金利が上がり、
店頭金利が現在の金利水準のままでも1.5%となります)
そして、フラット35。
先月は長期金利が上昇したものの据え置きと、
過去最低の水準で推移していましたが、
今月は民間の住宅ローンと同様、大幅に上昇しました。
(カッコ内は対前月)
・20年以内 1.74%(+0.20%)
・20年超 2.03%(+0.22%)
・フラット50 2.61%(+0.17%)
ただ、一気に0.2%程度上昇したとは言え、
それでも20年超タイプで2.00%台前半と今年3月と同様の水準。
いまだに低金利の水準であると言えます。
わずか1年半~2年前には長期金利は1.0%~1.3%程度で
推移していたことを考えれば、2.0%を切っていたことが
“異常な低金利”であったと言う方が正しいでしょう。
ちなみに、長期金利は先月末から再び下がってきており、
本日の終値で0.8%台となっています。
今後の長期金利の動きが注目されます。