地番と住居表示

「地番」と「住居表示」。どちらも不動産の所在を指すのですが、
歴史的経緯から、同じ不動産であっても「地番」と「住居表示」が異なっていることがあります。

 

「所有権」を公的に認めた書類が「登記簿」ですが、
登記簿上の所在は「地番」といい、明治時代から連綿と受け継がれています。
これに対して、現在一般的に使われている住所は「住居表示」といい、
1962年(昭和37年)に、郵便や行政の合理化を目的に施行された
「住居表示に関する法律」に則ってつけられたものです。


 (例)地 番 :○○町123-4
    住居表示:○○町1丁目1-1

 

「地番」は、番号が付けられてから長い年月が経ち、
その間分筆や合筆などで欠番や枝番が生じたりして法則性がなくなり、
隣同士の敷地でも番号が飛んでいることが多々あります。
それに対し、「住居表示」はその成立した主旨からも、
法則に従って番号が付けられており、分かりやすくなっています。
「○丁目」という表記の場合は、「住居表示」であることが多いようです。
なお、登記簿を取るときには「地番」で申請します。


ちなみに、以下は余談です。

不動産には「土地」と「建物」がありますが、
これら土地と建物は別々に登記されます。
で、当然ながら登記簿にはその所在地も記載されます。
例えばこんな具合。

 

 <土地の登記簿>
  所在 : 文京区大塚八丁目
  地番 : 123番4
 <建物の登記簿>
  所在 : 文京区大塚八丁目123番地4

 

「土地」の登記簿は「所在」と「地番」の二つに分かれ、
「建物」の登記簿は一つになっている違いがありますが、
もう一つ、違いがあります。分かりますか?

 

それは、「土地」の登記簿は「番」、
「建物」の登記簿は「番地」となっていることです。

 

よく住所では、「番」と「番地」それぞれの記載を見かけますが、
どちらが正しいとかどちらが省略されているということではなく、
登記上は両方ともあり得るということのようですね。
(ちなみに「住居表示」の場合は「番」のようです)