建築家のコストコントロール

建築家との家づくりでは、細部にわたって建主の要望を聞くことができ、
構造や工法をはじめ、間取り、材料・機器の組み合わせが自由にできるなど、
柔軟性の高い家づくりができます。そのため、コストをどこにどのように
配分するかということも、建築家の腕の見せどころとなります。


実際のところは、建築家それぞれに考え方やノウハウがあり、
一概に「これが建築家のコストコントロール術です」とは括れないのですが、
例をいくつかご紹介します。


 1)使用部位によって材料を変える
  ・外壁に、一番目立つ道路正面は左官で仕上げ、
   それ以外の面は安価なサイディングを使う。
 2)工程・工法を工夫する
  ・壁の仕上げを塗装のみにすることにより、
   クロス張りの工程を省く。
  ・家具を大工さんによる造作とする。
   (一概に安価になるとは限りませんが)
 3)間取りを工夫する
  ・部屋間のつながりや、屋外と屋内のつながりを工夫し、
   延床面積が狭くても、広く感じる空間を創り出す。
   (延床面積が狭い分、コストが安くなる)
  ・区画する部屋を少なくし、扉(建具)の数を減らす。
 4)工務店の見積を査定する
  ・施工する工務店を複数社による見積競争で
   選定することにより、競争原理が働く。
  ・見積内容を建築家が査定し、単価が高い場合には
   工務店と減額交渉を行う。


上記の建築費以外にも、建築後のメンテナンスや、
光熱費などのランニングコストへの配慮といった視点もあります。


建築家との家づくりの場合、建築費以外に設計監理料がかかるなど、
コスト面で不安に思うこともあるかもしれませんが、
こういった工夫によりコストを抑え、満足度の高い家づくりが
出来ることを考えると、建築費の10%程度と言われる設計監理料も
決して高いとは言えないのではないでしょうか?