坪単価とは

家づくりの場でよく耳にする『坪単価』

 

“坪28.5万円”などという表示を見ると、

「そんな安く家って建つの?」と思ってしまうかもしれませんが、

実際に家を建ててみたら「思ったより高くなってしまった」ということもあるので、

見かけの安さに惑わされてはいけません。


坪単価をひとことで説明すると

「建築費用を延床面積で割って算出した、ひと坪あたりの建築費用」

のことですが、明確な決まりはありません。

坪単価は、住宅会社のサジ加減ひとつで高くも安くもなる不思議なもの。

以下の点を踏まえて冷静に比較してみると良いでしょう。

 


一つ目が本体工事の範囲

 

坪単価の算定根拠となる「本体工事」に何が含まれるのか確認しましょう。

住宅会社によっては、バスやキッチン、床暖房、太陽光発電などの設備機器、

造作家具、カーテン、照明、エアコンなどが含まれていなかったり、

逆に通常は本体工事に含まない地盤調査・地盤改良、外構、屋外給排水などが

含まれていることがあります。


二つ目が面積の算定方法

 

坪単価の算出根拠となる延床面積には、

通常「法定延床面積」ではなく「施工床面積」が用いられます。

この「施工床面積」にも算出基準が無いため、

坪単価を低く見せようと施工面積を広くとる住宅会社もあります。

吹抜やロフト、ベランダやポーチなど、

どこまでが施工面積に含まれているか、よく確認してください。


三つ目が設備・仕様などのオプション

 

坪単価を表示する際、お値打ち感を出すために、

標準仕様のグレードを抑えているケースがあります。

標準仕様なら安価なところ、要望に合わせた仕様・設備にすると、

オプション扱いで追加費用が発生、坪単価が跳ね上がることもあり得ます。

実際に使われている仕様・設備のグレードを確認しましょう。


四つ目が建物形状。坪単価は建物形状や間取りによっても変わります。

 

一番お値打ちなのはシンプルな形状の総2階の建物で、

同じ延床面積でも平屋だったり複雑な形状だったりすると坪単価は上ります。

住宅会社によっては、形状が複雑になり、建物の角が増えると

「出隅割り増し」「入隅割り増し」などのオプションが適用される場合があります。

なお、延床面積が狭くなると、坪単価は割高になります。

 


以上となりますが、住宅というのは敷地条件や面積、

形状、仕様、設備等によっていくらでも費用は増減しますので、

坪単価はあくまで「目安」程度に捉えていただきたいところです。